娘は2010年、パリ近郊外のルバロワ市で産まれました。
出生届けは3カ国(笑)。まずフランスで出して証明書をもらい、次いで日本・イギリスと出しました。
国籍は今のところ2つ。日本とイギリス。どちらの国も二重国籍を認めていないので、大きくなったら選ばなきゃいけません。出生地なのでいずれフランス国籍も申請すれば、取得できるでしょう。今のところ、必要は感じてませんが。
娘に関して言えば、少なくともここフランスの様々な行政手続で、外国人だと感じたことは、一度もないです。保育所もほかの人と同じように申し込み(ほかの皆と同じように落選しwww)保育ママを雇い、その補助も受け、学齢になると学校登録のお知らせが来て、フランスの子供たちとまったく同じように扱われてきました。
私が働いていることもあり、娘は6ヶ月のときから、こんなフランスの保育事情の中で生きてきています。当然、日中のほとんどをフランス語のシャワ-の中で過ごしてきたわけで、小さい時やっぱり言葉として出てきたのはフランス語のが多かったように記憶しています。
また私自身も、20年近くこちらに暮らしていると、中々日本語が出てこなくて苦労しました。だって赤ちゃんに話しかけるのって独り言を繰り返すようなもの。その当時、もうあまり日本人の友達がいなくなっていた(長すぎて皆帰っちゃったからね~ww)私は、夢も独り言もほぼフランス語になってしまってたレベルだったのだ・・・。
そんなこんなで「ママ」と呼ばれるより「ママン」の方が多くなり、がんばって日本語幼稚園に行っていた水曜日だけ何とか片言日本語を話してくれる程度。。。
日本語コ-スがあるという、私立校に一縷の望みをかけて入学しました。そこでは、フランス語がメイン。日本語の授業は昼休みや放課後を利用して週4時間やってくれると言うシステムでした。もちろん、週4時間で日本の小学校の家庭を終わらせるなんて出来るはずもなく、それは家庭での復習で補ってくれとのスタンス・・・
私と娘のお勉強漬けの日々が始まった。
だけど学校が始まって2ヶ月もしたある日、フランス語の先生から呼び出しを受けた。
先生曰く、娘は日本語が強すぎてフランス語の習得が遅れている。日本語が母国語とはいえ、こちらで生活していく上で大事なのはフランス語。家でもなるべくフランス語を話してくださいとのことだった。
私たちにとっては寝耳に水。だって、いくら日本語の宿題に埋もれているとはいえ、私たちの会話はまだほとんどがフランス語だったし。それに私的には娘の母国語ってフランス語だと思っていたので、先生が日本語を母国語だと断言するのに、少し違和感があった。
フランス語では「langue maternelle」と言い、母親の言葉みたいな響きがある。もしかして、先生・・・意味そのまんまだと思ってる?と、思ったら、どうやらそうだった(笑)。だってパパの英語は母国語ではないらしい。アイデンティティからの母国語じゃないのか。ママの言葉が母国語なんか~(笑)。ちょっと単純すぎない?いくらなんでも・・・。
でも確かに調べてみると「母国語」(母語)って定義があいまい。確かに娘にとって日本語は母国語なのかもしれないが、第一言語は私の見る限り、フランス語だと思う。彼女の世界というか日常を形成しているのは明らかにそれだし、それは彼女の性格や考え方にも多分に影響してきているはず。私から見れば立派に小さなフランス人だわ。そうなるとやっぱり日本語は「継承語」と呼ばれるものなんだろうか?
継承語って言われると、なんだかこれから廃れていってしまいそうな、はかない響きを感じます(笑)。でも実際、このまま外国で大きくなって、いつかこちらで子供を産んだりしたら、彼女の子供は日本語を話せるんだろうか?(難しそう・・・)継承されていってほしいけど・・・
これから英語圏に行くことになるが、そうなると・・・彼女の中で「第一言語」がフランス語から英語にシフトしていくんだろうか?それとも生まれたときからの記憶ってもっと強いものなんだろうか?
自分がそういう環境で育っていない分、いろんなことが手探りなんです。
日本に住むことがない限り、彼女にとって日本語は「ママンの話す言葉」。単純だわ~と笑ってたけど、先生の解釈はあながち外れてないのかもしれない(笑)
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